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M&Aとは

M&Aとは

M&Aとは『merger and acquisition』の略語で、日本語で言うと合併および買収のことを指します。

例えば、
・会社Aと会社Bを統合し一つの会社に再編する。(合併)
・会社Aが会社Bの株式や事業の一部または全部を得る。移管する。(買収)
他には、事業を譲渡する・一つの会社を複数に分割することなどを言います。

広い意味では、
一般的な会社の合併や買収だけではなく、OEMや業務の提携、経営が振るわない企業の救済措置なども含めてM&Aと呼びます。

M&Aの概念としては、
対象となる会社の経営権に影響を及ぼす(多くの場合、経営権の移動を伴う)、会社のコントロールの移動の概念として用いられることが多くあります。

■M&Aの種類について
M&Aには様々な種類があります。上述した通り、会社の合併をしたり買収をしたりするほか、OEMや資本業務の提携、事業譲渡なども含めた広義の意味合いも含めてM&Aといいます。会社の合併や買収、株式の公開や移転、事業の譲渡や会社の分割などM&Aという言葉が指し示す領域は広範に及びます。

M&Aの種類としては、大きく3つに分かれます。

・合併
・買収
・会社分割


・合併
合併は、吸収合併と新設合併に分かれます。また、合併の際に株式の移転や交換をするケースもあります。

・買収
買収には、株式の取得や事業の譲渡などがあります。特に株式の取得には、様々な形態があります。
〜既存の株式の譲受
〜新株の譲受
〜公開買い付け
〜TOB
〜EBO
〜MBO
〜LBO

・会社分割
会社分割には、
〜吸収分割
〜新設分割
があり、それぞれ分社型/分割型に分かれています。

M&Aをすることのメリット

近年、中堅や中小の会社にもM&Aが浸透きており、その理由は、買い手の会社・売り手の会社ともにメリットがあることが多いからと言われています。
当然、会社同士の相性によってM&Aのメリットがないもしくは薄いケースもあります。
M&Aをする際は、自社にとってどのようなメリットがあるのかを慎重に検討する必要があります。

・売主にとってのメリット

〜従業員の雇用の維持〜
M&Aを行わず廃業という選択肢を取った場合、創業時から支えてきてくれたメンバーを含めた既存の社員との雇用契約を打ち切ることになります。
契約の打ち切りに対しての既存社員からの不安の声が出ることも多いです。
M&Aをおこなった場合、従業員の雇用は引き継がれますし、状況によっては従業員のキャリアアップや福利厚生が向上することもあります。

〜創業者利益の確保〜
一から育ててきた愛着のある会社ですが、創業者はM&Aをすることにより事業を現金化することができます。
潤沢な創業者利益を確保し、会社経営から引退したのちの生活をより豊かに楽しむことができます。

〜後継者問題の解決〜
後継者を選定する際、頭を悩ませる経営者の方も多くいらっしゃいます。
能力や本人の意思として、後継ぎに適切な血縁者の方がいない。
個人保証をご子息・ご息女に引き継ぎたくない。
役員・従業員に会社経営に的確な人材がいない。経営能力や資金能力が不足しており引き継がせることができない。
など、後継者を選定したくとも選択として選定することができないケースも見られます。
その際、M&Aが後継者選定の選択に上がることが増えています。
人生をかけてきた会社を任せるのに十分な能力のある人材に会社を任せることができ、会社に残る役員や社員の今後の生活を守ることができるなどM&Aをすることのメリットも多いです。

〜個人補償の解除〜
M&Aをすることで個人保証が解除されるというのもM&Aのメリットの一つです。
M&Aを行う際には、必ず個人保証解除に関する条項を契約書に記載するようにしてください。
買い手によっては個人保証の解除を断られるケースもありますが、経営ミスがあった場合、第三者のミスにも関わらず経営責任を自分が負うことになってしまうため、この解除は必ず行ってください。

これにより、M&Aによる会社売却の後、連帯保証人ではなくなり担保を提供する必要もなくなります。
何もしなくても、個人保証が自動で解除されると思われている方もいらっしゃいますが、必ず手続きが必要ですので気を付けてください。

〜取引先の継承〜
廃業をすると、社員同様に苦楽を共にしてきた取引先との関係もなくなってしまいます。
それにより、取引先の売り上げ減少や倒産が起こることもあります。
M&Aにより、取引先を継承し取引先を守ることができます。

〜廃業コストを抑えることができる〜
在庫の処分や会社設備を廃棄するコストなど廃業コストは会社にとっての負担となります。
M&Aをすることにより、この廃業コストを抑えなおかつ事業譲渡により資金を得ることができます。
M&Aをするにも手数料など費用は掛かりますが、それを差し引いてもM&Aを行うメリットは十分あるといえます。

〜不採算部門からの撤退〜
M&Aは会社全体の譲渡のみをさすわけではありません。
一部部門の売却も可能ですので、不採算部門のみをM&Aし事業全体の利益効率を高め新陳代謝をよくすることもできます。

事業の取捨選択を行い、会社全体の利益を向上させるうえでこのようなM&Aのやりかたは効果的です。

・買主にとってのメリット

〜規模・シェアの拡大〜
M&Aをすることで、
〜新たな事業に取り組むことができ会社規模が大きくなる。
〜既存の事業の競合とのM&Aによる業界シェアの拡大
をすることができます。
どちらの場合も「スケールメリット(規模の経済)」や「シナジー効果」が生まれ、生産性の向上や生産コストの抑制などのメリットが生まれます。

〜リスクの低い新規参入が可能〜
M&Aをせずに新規参入する場合、事業リスクや人材育成にかかる時間と手間などが多くかかります。
一から新規事業を始めるよりも既存のノウハウや育成済の従業員のいる事業のM&Aを行う方が、時間・コストともに短縮することができます。


■M&Aを成功させるには
M&Aには売り手・買い手ともに上記のような多くのメリットがあります。
ただ、事前の調査不足や綿密な検討、意思決定が下されなければせっかくのM&Aが失敗に終わってしまう可能性もあります。

M&Aを成功させるためには、経験豊かな専門家に相談したうえで、十分な検討をするようにしましょう。

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