戦前より続く総合物流大手のセンコーグループホールディングスが介護事業への参入を進めています。
2016年10月に奈良市の訪問介護・有料老人ホーム運営などを運営する介護事業者であるけいはんなヘルパーステーションのM&Aを実施したのに引き続き、 大阪府堺市に本社を置く通所介護(デイサービス)のビーナスのM&Aを行いました。
買収額は非公表ではありますが、ビーナスは大阪府内に計43拠点をもつ介護・福祉の業界では中堅に位置する会社です。
けいはんなヘルパーステーションのM&Aよりも大規模なM&Aを行ったことから、 センコーグループホールディングスの介護事業の展開は順調に進んでいると思われます。
センコーグループホールディングスは財閥解体以前より続く物流の会社で、 海上運送からスタートした会社ですが、 現在は貨物自動車運送・鉄道利用運送・海上運送・国際物流など幅広く物流に関する事業展開を行っています。
物流事業以外への新規参入にも意欲的で農業や飲食など様々な分野への参入・投資を積極的に行っています。
介護事業には2016年に本格参入することを決定し
・ライフサポート事業推進本部の立ち上げ
・リビングサービス事業推進部の立ち上げ
・M&Aを行った「けいはんなヘルパーステーション」の子会社化
・有料老人ホーム2施設の立ち上げ
などを行いました。
それに引き続いての今回の通所介護(デイサービス)のビーナスのM&Aを行うなど、 非常に積極的に介護事業への参入をすすめており、 他業種による新規参入やM&Aの活発な介護業界の中でも一歩抜きんでた立ち位置を確保しようと動いています。
センコーグループホールディングスの介護事業における目標は、 2021年600億と現在の売上の13倍の成長が必要な数値です。
目標売上達成のため、介護事業における更なるM&Aの実施が想定されます。
介護事業は成長産業であり、 売上も上げやすく様々な業界からの参入が非常に盛んです。
そのため、安易なM&Aを行う会社も少なくありません。
しかし、成長産業であるがゆえにセンコーグループホールディングスの参入のように 大手の参入も目立ちます。
大手資本による拡大戦略に正面から立ち向かえばせっかくのM&Aも失敗に終わるリスクが高いものとなってしまいます。
成長産業だからこそ、より多くの介護事業のM&A情報をもっているM&A会社に相談するようにしたほうがよいでしょう。