M&Aコラム

ベネッセホールディングス M&Aに1000億円!!

M&Aはもはや日本でもビジネスの選択肢の一つとして十分に認知されました。
様々な企業が1年あるいは数年間でのM&A予算を準備し、 M&Aを行うことで自社の既存事業のさらなる成長や、グループ全体の成長戦略としての第二・第三の矢の獲得を行っています。

様々な会社のM&Aに関してのニュースが連日メディアを騒がせていますが、 今回、ベネッセホールディングスの足立保社長も日本経済新聞からの取材に対し、自社のM&Aの方針について言及しました。

教育・介護の分野で絶大な影響力をもつベネッセホールディングスですが、 進む少子化や2025年をピークに高齢者数の減少が始まる2025年問題などを背景に教育・介護の分野での更なる躍進と同時に、自社にとって第三の矢となる新規の事業の発見・育成にも意識を向けています。
ベネッセホールディングスのM&A予算は2022年までに1,000億円と足立保社長は伝えており、今後のベネッセホールディングスのさらなる成長にとってM&A戦略が非常に重要なものであることを示唆しています。

M&A戦略の方針は前期・後期に分かれており、 前期にあたる2020年までの3年間は既存事業の育成・強化ができるM&A対象の発掘にあて、 後期の2021,2022年の2年間で新規事業の開拓を行う予定です。

2017年11月現在、ベネッセホールディングスは全体として非常に好調であり、 2017年4-9月期の純利益はYonYで99%増、売上高も2,215億円と前年を上回っています。
好調な既存事業への投資は、悪くなる情勢や競合の競争力が高まることを念頭においた上で、 教育・介護・語学の分野でM&Aの案件を探していく方針です。
しっかりと地盤の再強化を行った上で行う新規事業へのM&A投資は、生活・人材・健康に関わる分野へと行う予定です。
足立保社長は明言をしなかったため、詳細はわかりませんが、上に上げた分野以外でも既存事業とのシナジーが見込めるようであれば、予算を投じていくと思われます。

人口比率の変化に伴う社会変革の只中にあり、日本企業は戦略の大きな変換を求められています。
ベネッセホールディングスのM&A戦略はそれに対する一つのあり方として、M&Aを検討する企業にとって参考になりそうです。